宝箱卒業

いつ頃からかな？宝箱の活動を、本当に楽しいと感じることができなくなったのは…。

　宝箱は今年で二十年を迎えました。私は創部時からメンバーとして在籍し会長をやらせてもらってました。 当初は、活動そのものがとても楽しく、展示会の時は、時間が経つのも忘れる程でした。

　それから月日がたち、自分に家族ができ、プラモ作りにだけ時間を使うことが出来なくなり、仕事の責任も大きくなり、僅かな時間だけがプラモ作りの時間になりました。
　でも、作りたいものは手を入れてじっくり作りたいという欲望だけは変わりませんでした。 作りたいけど、思う存分作れない…。いつしか意欲も失せて来ていました。宝箱に対する熱意も冷めて来ました。

　展示会では、いつしかコスプレ嬢が受付をするようになりました。それ自身は悪くは有りませんが、自分の中では違和感だけが残りました。その内、展示会もメジャーになっていき、お客さんも増えてきましたが、それとは逆に自分は完成品が出来なくなり、展示会の役にたたない会長となった気が続いていきました。
　展示会が、そして宝箱の活動が楽しくなくなっていきました。

　そんな中、今年は宝箱二十周年展示会でしたが、私は相変わらず完成品がなく、旧作ばかりで、お客さんの目にも止まらない状態でした。自分の中で疎外感だけが大きくなり、宝箱に対する熱意もなくなってしまいました。
　そして、受付のコスプレ嬢の周りが盛り上がり、会員の中でコスブレ撮影会が始まったとき、自分の中に燻っていた疎外感と違和感が大きく弾け、もう宝箱は自分のいる場所ではないとしか思えなくなってしまいました。
　それで、二十年たった今年、今まで感じていた宝箱に対する違和感と、疎外感を取り去るために、宝箱を辞める決心を固めました。

　現状では、プラモを作れる少ない時間を、自分の思う存分好きな物をゆっくり作るために使いたい。自分が楽しむためだけに使いたい。そんな気持ちでいっぱいです。
　そんな気持ちが大きくなり、宝箱を退会しました。 来年は違った環境でプラモ作りを楽しみたいです。